トランスジェンダーの概念はなぜ生まれたか ― 性同一性障害の歴史的背景
https://medicalnote.jp/contents/151005-000005-XAEUXT
古くから性同一性障害・トランスジェンダーは存在した
日本では、戦国時代には男性と男性のセックスもあたりまえだった
文化的背景から見れば現代の対等な関係の同性愛とは少し異なる
主従関係なども関係した
古典的な背景の中でいえば、江戸時代の歌舞伎の世界の女形
昔は日常から女性として生活しないと本当の女形にはなれないといわれていた
現代では歌舞伎役者はふだん男性として生活している
江戸時代には、男性であるのに女性として生活していた人が、現代ほど偏見を受けることなく存在した
日本の概念の中では、ジェンダーアイデンティティ (社会的性) はない
これもジョン・マネーの研究
次のような事例に対する議論の中で、ジェンダーという概念が考え出され、ジェンダーロール、ジェンダーアイデンティティといった概念が作られた
生まれた時の性別がよくわからない子たちの中に、成長過程で決めた性別と全く異なる性表現をする子たちがいた
交通外傷などで性器を失った男の子の行動パターンを追うと、一般的な男性と同じことができない生活を送りながら、自分の性別を男性と表現していた
アメリカではこういった研究が昔から行われてきた
日本にはそういう研究の歴史がない → ジェンダーという概念を輸入した
ジョン・マネーやヨーロッパがそういう概念をつくり出した背景にはキリスト教社会がある
キリスト教社会における 「男は男、女は女」 という宗教的規範は非常に厳しい
旧約聖書の 『申命記』 の中に 「男は女の格好をしてはいけない、女は男の格好をしてはいけない、なぜなら神はそういう格好をする人を忌み嫌うからである」 という意味合いの記述がある
基本的には宗教上認められない
ジャンヌ・ダルクが火あぶりになったのも、異性装をした罪
性同一性障害・トランスジェンダーが広く知られるようになったきっかけ
日本で性同一性障害という言葉が広がり始めたのは、2000 年前後
埼玉医大で倫理審査が通り、性同一性障害の人たちに対する性別適合手術を行うことが倫理的にも正しいと認められ、公に治療が行われるようになってから
「性同一性障害」 という言葉がどんどん世の中に広がっていって、今や幼稚園の子が親に連れられてくるという時代